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PJ: 大谷 憲史

全国初「地域コミュニティ税」で問われているのは何だ?=宮崎市
2009年09月15日 10:15 JST


「自治会をこわすな」という地域住民の反対もむなしく地域コミュニティ税が導入されたが(撮影者:大谷憲史、08年3月) 

【PJニュース 2009年9月15日】9月14日、宮崎市の9月定例議会の一般質問が始まった。津村重光宮崎市長は、今年4月から全国で初めて導入された「地域コミュニティ税」に対する見解を明らかにした。地域コミュニティ税は、個人市民税均等割が課せられている市民を対象に、年額500円を市民税均等割に上乗せされて課税されている。対象となる市民は約37万人のうち約16万人で、約8000万円である。この税金を地域コミュニティ活動交付金として、市内18地区に対して3割を均等に、7割を人口に比例させて配分している。

若い世代を中心に「自治会離れ」が進み、自治会活動を行うための財源を確保することが難しい。そこで、市民から一律500円の税金を徴収することで財源が確保しようという発想から創設された新税なのだが、果たして、自治会離れを食い止めることはできているのだろか。

新税である「地域コミュニティ税」構想が打ち出されたころから、宮崎市民の反発は大きかった。

「新税として一律500円を徴収されるなら自治会には加入しない」「自治会に加入している人は自治会費と新税の二重徴収になってしまう」などの反対意見が多く、実際、これまでの取材の中で、自治会離れが進んでいる地域があることが確認できた。また、私が住んでいる地区でも本年度に入り、数世帯が自治会を脱退した。

この「自治会離れ」に関しては、市議会でも何度か質問が行われたが、市当局から自治会離れに関する具体的な答弁は無く、新税を活用して事業を展開することで、地域住民による自治活動が活性化されるようなことを話していた。

また、宮崎市の財源捻出(ねんしゅつ)の方法にも問題の声が上がった。

年間8000万円の規模であれば、市の予算を見直すことで捻出できるのではないかということである。市民の地域における自治活動を支援する財源である。地域自治を重視するのであれば、いくらでも予算化はできたはずである。

それに加えて、市民に対して地域コミュニティ税の趣旨がきちんと伝わってないことも問題視され、結局、導入を1年延期し、その間、市民への周知徹底を図ることとなった。

その地域コミュニティ税が今年4月から導入されたが、どこの地区も似たり寄ったりの事業が並び、この事業を行えば自治会離れを防ぐことができるのだろうかと疑問を感じた。

ある地区のまちづくり推進委員会の委員さんと話をする機会があったが、「18地区に分配された地域コミュニティ活動交付金を消化するために、私たち委員は何かしらの事業案を考えなければならないのです」と語っていた。これでは国と同じである。配分された交付金のすべてを消化すれば良いというものではない。

地域コミュニティ活動交付金は、私たち市民の税金である。余れば宮崎市へ返還し、福祉や教育などの施策に回せばよいのである。導入されて半年、しかもこれまでに前例のないことなので、どこの地区も手探り状態であることは分かる。

さて、津村宮崎市長は、9月定例市議会でどのような評価をしたのだろうか。

地元宮崎日日新聞によると、津村宮崎市長は、「地域住民がみずから知恵を出し、汗をかいたユニークで効果的な取り組みが展開されている。良い成果があがっており、地域コミュニティ税の効果が確実に見えてきている」と述べている。

しかし、ここでも「自治会離れ」に関しては一切答えていない。何に対して効果的だったのか、自治会離れを防ぐために効果的な事業が展開されていたのであれば、それは大いに評価すべきだが、そのような発言も出されていない。

「○○大会」などのイベント的な事業が悪いとは言わないが、事業の評価の視点の1つに、「この事業を展開したあと、自治会加入及び脱退世帯に変化はあったか」という項目はあるのだろうか。

そもそも、自治会離れが進み、自治会活動の財源の確保が難しくなったことからスタートした地域コミュニティ税である。自治会関係者、各地区のまちづくり推進委員会の関係者には、「自治会離れをどう防ぐか」という問題意識を常にもって、まちづくりを推進してほしいものである。【了】

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