PJ: 大谷 憲史
父が何かを作り始めた
2009年09月17日 07:34 JST

「ブンブン」という竹のおもちゃ作りに余念がない父(撮影者:大谷憲史、9月16日) 
【PJニュース 2009年9月17日】時々物忘れをして周囲を心配させる父が、最近、竹のおもちゃ作りに励んでいる。なんでも11月に行われる地区文化祭で子どもたちに配るとのこと。昔から手先が器用だった父は、もの作りをすることが一番の楽しみだと言う。私のパソコン講座の受講生も高齢者が多いが、何か目標を持っているシニアパワーに圧倒されてしまう。9月21日は敬老の日、これからも何か目標を持って長生きしてほしい。
9月16日午後、自宅で仕事をしていると、父が血相を変えてやってきた。「おい、自転車が無くなった。お前、知らんか?」
また始まった。年には勝てず、時々物忘れが出るが、今回もその物忘れだろうと思った。「今日、自転車でどこかに出掛けなかったか」と、父に今日の自分の行動を振り返らせた。すると、午前中に近くのスーパーに出掛けたとのこと。「あ、それじゃ、そのスーパーに自転車を置いて歩いて帰ってきたんだ」というと、「そんなことはない」と父。
私との問答が一通り終わると、父は確認するためにそのスーパーに出掛けると自転車はあった。父は安心しきった顔で自転車を押して帰ってきた。
昔かたぎで頑固な反面、時々物忘れをしては周囲を心配させる父が、最近、庭の物置の近くに作業場を開き、何かをせっせと作っている。
父は銀行員として定年を迎えたが、私が生まれるまでは、自衛隊の全身であった警察予備隊、エンジニア、デパートなどの職に就いていた。子どものころのおもちゃは、すべて父の手作りであった。足でこぐ車は、鉄材を溶接して作った本格派で、おもちゃ屋にあるものよりかっこよかったことを覚えている。
その父が現在作っているのは、「ブンブン」という竹のおもちゃである。10センチ程度に切った竹の両側を丸く削り、竹の中央の2か所に穴を開ける。その穴にたこ糸を通して両端を結ぶ。非常に簡単なおもちゃである。子どものころにつくったことがある人もいるだろう。
しかし、その数が多い。父に聞くと、11月に行われる地区の文化祭で、子どもたちにあげるために作っているとのことである。2年前には、同じように竹とんぼを作って、地区文化祭のときに子どもたちに配っていた。地区の文化祭まで2か月もあるのだが、今から作っておかないと間に合わないということらしい。
「おかげで、ボケんで済むわい」と父。
時々うっかりすることもあるが、息子の私が言うのも変だが、81歳としては元気なほうではないだろうか。
私のパソコン講座の受講生にも、高齢者が多い。
「孫とメールを交換したい」「戦時中で英語が勉強できなかったので、パソコンを通じて英語を学びたい」「家にはばあさんしかいないので、公民館で人付き合いを増やしたい」など、個々人の目標は違うが、ほとんどのみなさんが、休むことなく公民館に通ってくる。
その学ぶ意欲には、私も見習うべきものがある。「先生、もっとしっかりしてね」と励まされることも多い。公民館では、みんなが先生であり、生徒でもある。生涯学習とはよく言ったものである。
9月21日は、敬老の日。
人間、誰でも年を取っていくのだが、いつの世代においても、何か目標をもって生きていきたいものである。
父が作っていたものは、動画でも紹介しているので、ご覧いただきたい。
【YouTube動画】父が何かを作り始めた
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