PJ: 大谷 憲史
「街を、アートに染める。」ことができるか=宮崎
2009年10月02日 07:00 JST
果たして中心市街地の活性化の起爆剤となるか(撮影:大谷憲史、10月1日) 
【PJニュース 2009年10月2日】今期限りで勇退を発表した津村重光宮崎市長は、中心市街地活性化基本計画に基づいて、ハコモノづくりを推進してきた。国の「まちづくり交付金」や合併特例債などを活用し、2008(平成20)年6月に総事業費20億4000万円をかけて大型立体駐車場「Y・YPARK(ワイワイパーク)」が、今年3月末には「橘公園噴水広場」(総事業費1億3400万円)が、また、6月には大型災害対応型の「宮崎市総合体育館立体駐車場」(総事業費9億2000万円)が完成した
そして、一連のハコモノづくりの最後を締めくくる「みやざきアートセンター」が、10月1日にオープンした。総事業費は約25億9000万円で、このうち宮崎市は約23億円を支出するが、その中の約16億6000万円は合併特例債などを活用することになっている。
緊縮財政が叫ばれている中での相次ぐハコモノづくりに、市民から批判の声も聞かれる。これらのハコモノによって中心市街地が活性化されるのか、今後の津村市政が問われることになるが、その行き先を見守ることなく、津村宮崎市長は勇退する。
みやざきアートセンターは、人通りの多い宮崎市のメインストリートである橘通りにあるということもあり、1、2階は銀行やカフェなどの商業施設で、3階から6階がみやざきアートセンターのフロアとなっている。
キャッチコピーは、「街を、アートに染める。」
オープニングセレモニーは、午前10時から1階の「太陽の広場」で行われた。津村宮崎市長や関係者によるテープカット、モニュメント「あやとり」(満木攻一作)の除幕式が行われた。このモニュメントは宮崎市のパブリックアートモニュメント設置事業によるもので、2人の女の子があやとりをしている様子を表現した彫像である。
続いて会場を4階のアートスペース1に移して、開館式が行われた。津村宮崎市長は「文化と芸術を通じて中心市街地が再生され、市民のみなさんの交流の拠点になることを期待しています」とあいさつした。
その後、式典出席者や一般客は、真新しいセンター内を見学した。3階には、吹き抜けの明るくて広いスペースが確保された子どもたちが自由に活動できる「プレイルーム・キッズルーム」、ちょっとした休憩や待ち合わせに利用できる「交流スペース」、電動木工器具などを備えた「創作アトリエ」などがある。
平日と言うこともあって、プレイルームで遊ぶ子どもたちは少なかったが、週末はにぎわうことだろう。
4階には、美術関係の専門誌をそろえた「ライブラリー」、会議などに利用できる「多目的室」、イベントや展示室会場となる「アートスペース1」などがある。アートセンターということもあり、ライブラリーはブラウンを中心とした大人しい色調の中で、白色の背の低い書棚がフィッシャーのだまし絵のようにデザイン的に配置されている。
5階には、宮崎県の芸術家の作品を展示する「常設展示室」があり、現在は宮崎県出身で日本の前衛美術の先駆者である「瑛久」の作品が展示されている。また、2つの「アートスペース」があり、開館記念特別企画展として11月28日から「白洲次郎と正子の世界展」が行われることになっている。
さらにエレベーターで6階(屋上)に上がると、そこは緑の芝生が鮮やかな「屋上庭園」になっている。ちょっとしたスペースがあるので、自由にくつろぐことができる。
この屋上をぐるっと見渡すと、奥のほうに駐輪場でよく見かける自転車をロックする装置が並んでいる。アートセンターのスタッフにたずねると、「駐輪場です」とのこと。
「屋上に駐輪場?」と気になった私は、さらにスタッフにたずねた。アートセンターの裏手には、いわゆる作品を搬入・搬出するスペースと大型エレベーターがあり、その大型エレベーターを利用して自転車を屋上まで運ぶのである。
宮崎市は平たんな土地で、市民はよく自転車を利用するが、駐輪が禁止されている場所への駐輪が問題となっている。「駐輪場が少ない」という市民の声も聞くが、宮崎市は中心市街地の商店主や老舗デパートと連携して駐輪場の整備を進めている。大型立体駐車場「Y・YPARK(ワイワイパーク)」の1階にも駐輪場はあるが、全く利用されていない。少し歩けば良いのだが、自転車利用者のマナーに頼るしかないのだろうか。
そのような中での屋上駐車場とはよく考えたものである。午前10時から午後9時まで利用することができる。もちろん無料だが、自転車のみで原付バイクなどは利用できない。
さて、ハコモノづくりへの賛否両論の中で走り出したみやざきアートセンターだが、商業施設の6つのテナントのうち1つが不況の影響などでまだ決まっていない。ハコモノであるハードウェアは行政が整備したので、ソフトウェアは関係者のみなさんでがんばってくださいというところだろうか。
計画通りに宮崎市の文化芸術振興の拠点としてにぎわいを創出することができるのか、今後に期待がかかる。
まさに「街を、アートで染める。」ことができるのか、見守っていきたい。【了】
■関連情報
○みやざきアートセンター
【YouTube動画】
○みやざきアートセンターがオープン
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