PJ: 大谷 憲史
宮崎神宮神武大祭「神武さま」、宮崎の秋の風物詩
2009年11月02日 07:05 JST

神賑行列の華「ミスシャンシャン馬」に沿道から盛んな拍手が(宮崎市橘通り、撮影:大谷憲史、10月31日) 
【PJニュース 2009年11月2日】10月31日と11月1日の2日間、宮崎の秋の風物詩である「宮崎神宮神武大祭」(宮崎神宮御神幸祭奉賛会主催)が行われた。地元では「神武さま」と呼ばれて親しまれている。五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祝い、参拝できない人々のために、祭神がまちに出向く祭事として1880(明治13)年から始まった。
御神幸行列は列太鼓を先頭に、古代衣装に身を包んだ人々が練り歩き、神武さまの分身が乗せられている御鳳輦(ごほうれん)、無病息災を願う獅子舞、稚児行列、武者装束の流鏑馬隊など華麗な時代絵巻が続く。
そのあとに続く神賑行列は、私が子どものころは華やかな飾りをつけた各協賛企業の車などが盛り上げていた。時代とともに行列は変わり、また、神武さまの見直しを図り、2005(平成17)年には県産材を使い、神武天皇が東征を行った際に使用したと思われる古代船「おきよ丸」を復元した。古代船は西都原古墳群から出土した舟形埴輪(はにわ)をモデルに、宮崎神宮の神木と県産スギを材料に使った。この「おきよ丸」には神武天皇や妻の阿比良(あひらつ)姫をはじめ、従者に扮(ふん)した約25人が乗り込む。
他にも神賑行列には、神武こども太鼓が祭り気分を盛り上げてくれるが、やはり目玉は、民謡「シャンシャン馬道中唄」にうたわれている「鵜戸さん参り」を再現した「ミスシャンシャン馬」である。今年は、協賛企業から選ばれた8人の女性が花嫁姿になり、沿道の観衆に手を振ったり、笑顔を振りまいたりしていた。
沿道からは「あー、やはり、いいねえ〜」と、年配の女性がシャンシャン馬の花嫁姿に見入っていた。ミスシャンシャン馬が登場したのは、1948(昭和24)年、5人の花嫁が馬の背に揺られた。それ以降、今年は誰がミスシャンシャン馬に選らばれるのかが話題になるほど、内外に知られるようになった。この世に「ミス○○」と名が付くものは多いが、花嫁姿で約4Kmを馬の上に乗る女性は少ないだろう。
花嫁衣裳で馬に乗るため、その乗り方も昔ながらのものである。神武さまの前に、1日ほど練習日が設けられている。着物姿なので、当然、乗馬のように、またがることはできない。馬の背に2枚ほどフカフカの座布団を重ねてその上に座る。その際、両足を馬の左側に揃え、右手は前、左手は後ろにある専用の手綱をつかむ。
乗るだけでも大変だが、馬はデリケートな動物のため、練習中に暴れることもあり、過去には泣き出す花嫁さんも。関係者や宮崎大学乗馬部の学生さんたち、みなさんのサポートで、なんとかバランスをとりながら乗ることができ、無事に本番を迎えることに。馬の背に揺られながらも、左右の沿道の観客に笑顔でこたえていた花嫁さんが印象的であった。
宮崎では、人出の多い各種イベントや祭りのことを、「まるで神武さまがやってきたようですね」とあいさつ代わりに言葉を交わすことがある。それほど昔は神武さまがにぎわっていたということである。
近年、レジャーの多様化で、昔ながらの祭りに元気がなくなりつつあるが、このような華やかな時代絵巻が見られる祭りは、次世代に受け継いでいきたいものである。【了】
■関連情報
【YouTube動画】
○宮崎神武大祭2009〜御神幸行列〜
○宮崎神武大祭2009〜神賑行列〜
○宮崎神武大祭2009〜ミスシャンシャン馬〜
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