PJニュース

Updated: May 20 05:05    

HOME > (652) > 今年は市民メディア受難の年!?...

PJ: 大谷 憲史

今年は市民メディア受難の年!?
2009年11月27日 07:00 JST


がんばれ!PJニュース(キャプチャ画像、作成:大谷憲史) 

【PJニュース 2009年11月27日】11月5日、ツカサネット新聞がサービスの一時休止を発表した。サイトに掲載されたお知らせによると、これまで投稿してきた記事が閲覧できなくなるとのこと。せめてサーバーは残してほしいところだが、仕方なく無料サービスのブログに記事を移動させた。今年4月にはオーマイライフ(オーマイニュース日本版)が閉鎖された。あいつぐ市民メディアサイト運営会社の撤退で、今後の市民メディアはどこに行こうとしているのだろうか。

私が市民メディアと出会ったのは、2006(平成18)年の12月であった。「市民みんなが記者だ」というオーマイニュースのキャッチコピーにひかれて市民記者登録した。当時、母が入院していたこともあり、本格的に投稿を始めたのは07(平成19)年の4月からであった。02(平成14)年ごろから、私は情報ボランティアとして、地域の話題やパソコンなどに関する情報をブログやホームページを通じて発信していた。地元の市民FMにも何度か出させていただいた。

中央で起きた出来事や事件などは大手マスコミがこぞって伝えている。私たちのような市民記者は、その大手マスコミが報道した内容に自分の意見や感想などを付け加えて独自の視点で記事にするが、どうしても二番煎じの感は否めない。

これは地方でも同じである。地方紙が報じたことを後追いするだけで、市民記者独自の視点からといっても、原稿を書くことには限界がある。

そこで私は、「大手マスコミが伝えようとしない宮崎の情報を発信していく」ことに重点を置いて活動してきた。新聞社や通信社に所属することなく、一人で取材活動することには限界があり心細いこともあったが、報道の現場に立ち会い、プロと呼ばれる記者たちの動きを見ながら学んだことも多い。

市民記者活動をはじめてから変わったことは、「これはおかしい」と思ったことを追及する力が備わってきたところだろうか。宮崎市の津村市政や地域コミュニティー税の問題、公民館事業に関する記事を書き続けてきた。批判を受けたこともあるが、日和見的な立場で記事を書いてきたわけではない。一人の市民としての立場は貫いてきた。

また、ライフワークともいえる記事も生まれた。「戦争を語り継ぐ」では、政治的なイデオロギーを抜きにして、戦争体験者の生の声を伝えることに重点を置いた。元理科教師ということもあり、「クジラの骨格掘り上げ」も記事として取り上げてきた。いずれも市民記者でなかったら出会えなかっただけに、とても貴重な時間を過ごさせていただいている。

この世の中には、伝えなければならないことが多くあるのに、どうして市民メディアがしっかりと根付かないのだろうか。

その大きな原因として、市民メディアがビジネスモデルとして成り立たないことが上げられている。確かに、市民記者が書いた記事にスポンサーが付くのは難しいだろう。私のような地方の記事だけではなく、政治・経済・文化など幅広いジャンルの記事が集まる。しかも、左翼、右翼的な内容も含まれる。それらを一つのサイトにまとめ、記事として公開する。市民記者同士の交流がしたいとの要望があれば、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを提供する。そのため、システムが肥大化していくことになり、システムの保守管理が必要となる。

記事に感想を書くコメント欄は必要かもしれないが、市民記者同士の交流を図る場までも市民メディア運営会社が用意する必要はない。多くの無料のブログサービスがあり、mixiなどのSNSもある。それらを利用すれば良いのである。システムは極力シンプルなほうが良いのではないだろうか。

このPJニュースの運営状況は分からないが、私はPJニュースのようなスタイルがベターではないかと考える。

PJニュースのサイトは至ってシンプルである。メインの記事タイトルをクリックすると、記事を書いた市民記者のページに飛ぶ。そこでは、過去記事も読めることができる。ブログ形式にも似ているが、そこにはコメント欄は存在しない。わけの分からないコメントに、市民記者が戸惑うことはない。これは良い配慮だと思う。オーマイニュースでは、記事に関係ないコメントが多くつけられ、その対応に困ったこともあった。

どうしてもコメントを付けたければ、記事を提供しているlivedoorニュースのPJニュースのページへ行けば良い。livedoorのIDが必要となるが、PJニュースに市民記者登録していなくてもコメントを付けることができる。また、PJニュースでは市民記者同士の交流は、mixiで行われている。既存のSNSを利用することで、運営会社のリスクを減らすことができる。

市民メディアの老舗であるJANJANは、NPO型株式会社であると聞いたことがあるが、営利を目的としないのであれば、運営会社をNPO法人化する方法もある。NPO法人への寄付には税の優遇措置もあり、NPO活動に関する各種助成金も受けることができる。

市民メディアがビジネスとして成り立たないのであれば、市民の市民による市民のための社会活動、NPO活動として生き残ることができるのではないだろうか。

今年は、市民メディア受難の年となったが、来年は明るい話ができればうれしいものである。【了】

■関連情報
○ツカサネット新聞 サービス休止のお知らせ

PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者