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PJ: 大谷 憲史

除夜の鐘あれこれ
2009年12月31日 19:52 JST


「良い年になりますように・・・」(飫肥城で除夜の鐘を突く会・宮崎県日南市飫肥 2008年12月31日 撮影:大谷憲史) 

【PJニュース 2009年12月31日】大晦日。今年ももうすぐ除夜の鐘を聞く。私が子どものころに住んでいた宮崎県延岡市や教員時代に住んでいた宮崎県日南市の飫肥(おび)地区などでは、市民参加の「除夜の鐘突く会」が行われている。昨年は、飫肥の除夜の鐘を突く会に参加した。多くの市民が参加し、108回どころかそれ以上の鐘が新春の夜空に響いていた。この除夜の鐘、意外と知られていないことがある。

毎年、除夜の鐘を聞くと、この1年を振り返るとともに、「よし、来年もがんばろう」と、心が引き締まる。

人間の煩悩(ぼんのう)の数だとされている108回突くことは広く知られているが、最後の1回は年が明けてから突くのである。「この1年、煩悩に惑わされないように」という思いを込めて突くのだそうだ。

108の煩悩は、人間の感覚をつかさどる「眼(げん)」「耳(に)」「鼻(に)」「舌(ぜつ)」「身(しん)」「意(い)」の「六根(ろっこん)」が、それぞれに「好(気持ちがよい)」「悪(いやだ)」「平(何も感じない)」の3つがあり、6×3で18の煩悩となる。この18の煩悩が、さらに、「浄(きれい)」と「染(きたない)」の2つに分かれ、18×2で36の煩悩となる。

そしてさらに、「現在」「過去」「未来」の3つの時間が関わり、36×3=108となる。これが、108の煩悩だといわれている。

これは、一般的によく聞く108の煩悩の説明だが、他にも説があるようだ。

暦を元にしている説もある。それは、「12ヶ月+24節気+72候=108」というもので、108という数は煩悩ではないとしている。

また、このような説もある。

鐘を鳴らすことは中国の宋の時代に起こり、その後、日本に伝わってきた。その鐘の打ち方が書かれている書物には、「慢(ゆっくり)十八声、緊(はやく)十八声、三緊三慢共一百八声」と記されている。ゆっくりと突くのを18×3で54回、はやく突くのを18×3で54回、合計で108ということである。これも人間の煩悩の数とは関係はない。

人間の煩悩と深い関係があるのは、やはり、仏教である。調べて見ると、なんか結構難しい仏教用語が並び、頭が痛くなってしまった。それほど、人間の煩悩は複雑だということだろうか。

人間の煩悩とされている「108」という数字は、宗教によって異なる。仏教の宗派の一つで、奈良時代に伝わり、南都六宗の一つに数えられている倶舎宗(くしゃしゅう)では169、大乗仏教の学説の一つである唯識宗(ゆいしきしゅう)では128となっている。

古代インドでは、108という数字は、「大変多い」という意味で使われており、また、「84000の煩悩」という表現もあるくらいなので、数字自体にはあまり意味がないらしい。

ま、いずれにせよ、人間の煩悩は大変多いということである。2008年から続く「派遣切り」等による経済不安が政権交代によって解消されることもなく、迷走状態が続いている。心から笑顔で迎えられる新年は、まだまだ先のようだが、今年の漢字「新」のように、除夜の鐘を聞きながら、この1年間を振り返り、心を新しくしたい。【了】

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