PJ: 大谷 憲史
新春の3都市長選挙、17日告示=宮崎
2010年01月17日 07:58 JST

中心市街地に選挙事務所を構える候補者もいるが、新しいリーダーの下で中心市街地の活性化が図られるか(宮崎市橘通り 1月16日 撮影:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年1月17日】1月17日、任期満了に伴う宮崎市、都城市、延岡市の市長選が告示された。宮崎市長選は現職の津村重光市長(62)が今期限りでの引退を表明し、元佐土原町長の戸敷正氏(57)、前宮崎市議の斉藤了介氏(43)、元県議の由利英治氏(60)が立候補。都城市長選は、現職で再選を目指す長峯誠氏(40)と新人で前同市議の山田裕一氏(49)、延岡市長選は、再選を狙う現職の首藤正治氏(54)と新人の前宮崎県議の井本英雄氏(62)が立候補。年明け早々の宮崎県主要3都市の市長選とあり、これから激しい選挙戦が予想される。
■16年ぶりの首長交代となる宮崎市長選。
この3月には清武町との合併を控え、人口約40万人を抱える新しい宮崎市を引っ張っていく市長を選ぶことになる。市民団体などにより、これまでに3回ほど立候補予定者を招いた意見交換会が行われた。
前回2006(平成18)年の宮崎市長選に出馬し、津村重光氏にあと9000票近くまで迫った元佐土原町長の戸敷正(とじきただし)氏。今回は、子どもを中心としたまちづくり、企業誘致、地域コミュニティ税の廃止などを訴え、市政刷新を推進したい考えである。保守地盤、元佐土原町長としての実績、知名度などを生かした選挙戦を展開することになるだろう。
元宮崎市議の斉藤了介(さいとうりょうすけ)氏は津村市長の事実上の後継者として、民主、公明などの政党、各種団体の推薦を受け、組織力を生かした選挙戦を戦う。地場産業の育成、福祉施策の充実を訴え、選挙の争点に一つになる地域コミュニティ税の廃止については、慎重な姿勢をとっている。津村氏の後継者だけに、その政治体制は変わることはないのではないだろうか。
他候補と比べて出遅れた感の由利英治(ゆりひではる)氏は、市議2期、県議5期を務め上げ、知名度、政治経験ともに豊富である。他候補との遅れを取り戻すため、支援者とともに自転車に乗って、市内各地で訴えている。市民所得の20%向上、市民税10%カット、女性副市長の起用などを訴え、地域コミュニティ税に関しては廃止の考えである。
これまでの宮崎市長選では、「また津村だね」という声が聞かれたほど、選挙に関する関心が薄かっただけに、市民の動向が注目されるところである。
市民が見ている選挙争点は、やはり、「地域コミュニティ税の廃止」である。
賛否両論の中、1年間の実施据え置きを経て、昨年4月から導入された。この年度末には1年間の成果が明らかになるが、導入した津村市長はその結果を見ることもなく、新市長に委ねることになる。
地域コミュニティ税の導入は、自治会への加入率が減少する中、地域自治活動の費用を捻出することを目的にしたものであるが、その根本的な原因である自治会への加入をどう推進するのかについては、置き去りになっている。地域コミュニティ税を払っているから、自治会に加入する必要はないと考える市民も多く、それが自治会の崩壊にもつながっている。
新聞やテレビニュースで、地域コミュニティ税を活用した地域での活動を紹介しているが、映像を見る限りでは参加者は少なく、盛り上がっているような感じではなかった。地元紙の読者投稿欄には、「地域コミュニティ税は必要!」という声が掲載されているが、「地域コミュニティ税は必要ない!」という声は少ない。情報が操作されているとは思わないが、地域コミュニティ税実施段階での検証は、まだまだ不十分である。
理想から言えば、すべての地域住民が積極的に自治会に加入し、積極的に地域自治活動に参加することである。その地域自治活動を支援する行政は、地域コミュニティ税のような目的税を創出することなく、本体予算から捻出すべきである。
とにかく、津村市政は、ハコモノをつくりすぎた。宮崎市の財政上の借金は約2000億円。そのつけがじわりじわりと、私たち市民生活に忍び寄ってきている。まずは、公民館から。
公民館と言えば、地域のコミュニティセンターやカルチャーセンターなどの機能を持った施設だが、宮崎市からすれば、予算削減しやすいところなのだろう。市が主催する公民館講座の回数が減らされている。中には、なくなってしまった講座もある。
私は数年前まで公民館主宰のパソコン講座の講師をさせていただいていたが、当初、1講座8回だったのが、翌年は6回、そして5回と回数が減らされてきた。市の借金のために、市民の学びの機会を減らすのはどうなのだろうか。市内部では、「予算一律○%削減」のような目標があるらしいが、一般市民はそのようなことは知らないし、市の広報誌にもそのようなことは書かれていない。
「市政刷新」「市民目線での市政運営」などを、選挙を通じて市民に訴えるのであれば、この16年間の津村市政の総ざらいをし、ゼロベースでの市政運営を望みたい。
3市長選とも投開票日は1月24日。【了】
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