PJ: 大谷 憲史
【基金訓練問題】大切なことは「プライスレス」な支援
2010年03月16日 07:48 JST

「パソコンで何を書いているの?」とたまには和気藹々(わきあいあい)と過ごすのも良いものである(宮崎市内の公民館にて 撮影:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年3月16日】国が行っている雇用保険を受給できない人を対象とした「緊急人材育成・就職支援基金による職業訓練(以下、基金訓練)」における問題を、これまで4回に分けて内部告発に近い形でお伝えしてきた。第1弾記事が掲載された翌日の12日、事態が動いた。
12日午後、今回取り上げた教育訓練機関(以下、学校)から電話があり、雇用・能力開発機構から今回の件で事情を聞かれたとのことであった。直接学校に出向き、学校側から、「今後、適切に基金訓練が実施できるように改善していきます」との説明を受けた。
受講生や講師にとって望ましい学習環境ではなかったが、今後はきちんとした基金訓練が実施できそうである。ひとまずは安心といったところだろう。
しかし、職業訓練で大切なことは、訓練後のサポートなのである。
今回のシリーズ記事でも書いたが、以前、通常の職業訓練を終えた受講生から、電話をいただいた。訓練では学んでいないことを上司から聞かれて、どうしたら良いのか困っているとのこと。なんとか電話で答えることができたが、実際、職に就くと様々なトラブルに遭遇する。同僚にたずねれば良いが、中小企業だとパソコン担当は自分一人しかいないところも多い。もちろん、限られた訓練時間の中で、すべてのトラブルに対処できるような訓練はできない。かと言って、職務上の問題をそのままにはしておけない。
パソコン関係の仕事が長続きしないのは、そうした職場での悩みを相談する相手、場所がないことも問題があるのではないだろうか。
私は市民活動の一環として、宮崎市のボランティア活動の拠点となっている「宮崎市民活動センター」の部屋を利用して、2週間に1回、基金訓練等を終えた受講生が気軽に参加できるサロンを開設している。
仕事や就職活動の関係で、午後7時から午後9時までの2時間。参加者は少ないが、この2週間にあったことや世間話をしながら、パソコンで分からないところを教えている。
「先生、参加者は少ないけど、このような場は必要ですね」と受講生。パソコンを勉強することなく、丸々2時間話していたことも。それで良いのである。
今回の基金訓練の誓約書によると、「訓練期間中及び訓練期間修了後を通じ訓練受講者の就職支援等を的確に実施すること」とある。カウンセラーではないが、私のようにそばで受講生の話をじっくりと聞くことも大切な就職支援だと考える。
受講生は私に、「先生、今度、飲みに行きましょう」と、笑顔でサロンを後にした。
「仕事がんばれ!」「就職活動がんばれ!」と口にすることは簡単だが、職業訓練後もスキル面だけではなく、その人が仕事を続けられるような精神的なサポート、いわゆる「プライスレス」な支援も大切である。
基金訓練に関しては、今後も取材を続けていく。【了】
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