PJ: 大谷 憲史
それでも違法ダウンロードを続けますか?
2010年03月24日 06:53 JST

3月23日午後0時現在、国際著作権機構に掲示されている情報は5100件を超えた(国際著作権機構のサイトキャプチャ画像 作成:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年3月24日】前回の記事「国際著作権機構にご注意!」で、「ICO国際著作権機構」なる怪しい団体のことを取り上げたが、改正著作権法を悪用した詐欺ではないかと、2ちゃんねるなどの掲示板でささやかれている。
2ちゃんねるなどのネット上で得た情報から分かった手口は、次の通りである。
まずは、ユーザーが、ファイル共有ネットワークで、自分が欲しいアダルトゲームソフトやパソコンソフトを探す。都合よく目的のソフトを探し出しダウンロードするが、そのソフトが偽装されていることなどユーザーには分からない。しかし、ユーザーは、このソフト自体が違法なものであることは認識している(はずである)。
インストールプログラムをクリックすると、インストールウィザードが立ち上がり、パソコンの画面上に「使用許諾契約書」が表示され、許諾を求められる。「同意する」をクリックして次へいくと、オンラインユーザー登録として、「氏名」「電子メール」「電話番号」「住所」などの個人情報の入力を求める画面が表示される。ソフトによっては「アンケート」なる画面が現れ、さらに細かく情報を入力することとなる。
その後、インストールが始まるのだが、オンラインユーザー登録した内容はパソコンソフトを開発・販売したサイトではなく、なぜか「ICO国際著作権機構」に送信されるのである。つまり、プログラムファイルの一部が改竄されている可能性が極めて高いのである。
国際著作権機構のサイトに表示される内容は、「個人情報(メールアドレスやパスワード含む)」「パソコン画面のスクリーンショット」「最新使用したファイル、アプリケーションのインストール履歴」などである。この原稿を書いている3月23日午後0時現在で、5100人を超えるの個人データが表示されている。
このサイトが誰でも閲覧できる状態にあるのだ。本名や住所や電話番号がきちんと書かれている情報も少なくなく、このサイトから二次被害が出ることも予想される。
さらに問題は、この国際著作権機構に掲載された個人情報の削除を要請すると、「著作権使用料相当額」を請求するメールが届くことである。
そのメールの一部を紹介する。
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拝啓
当職は、株式会社ロマンシング(以下、「当社」といいます)の代表取締役として、貴殿に対し以下のとおり通告いたします。
1 上記の侵害通告内容は、貴殿が平成22年03月22日○時○分○秒ごろ、電気通信回線を介して、
『(アダルトゲーム名が表示)』を違法にダウンロードし、当社の著作権を侵害した行為を行った証拠となります。
平成二十二年一月一日に施行された著作権改正では、違法ダウンロード行為は私的複製から除外されていますので、犯罪行為となります。(以下略)
2 当社では不正利用者が多数のため、特に悪質でない場合、和解での決着をすすめております。
尚、和解案につきましては、下記のように提示させて頂きます。
和解をご希望の方は、下記口座番号へお振込みをお願いします。
【振込先】(略)
名義 :カ)ロマンシング
支払期日:(略)
振込人名義:(略)
【お支払い合計金額】 5,800円(著作権使用料相当額)
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なぜか、国際著作権機構ではなく、株式会社ロマンシングからのメールである。この2社は関連会社なのだろうか。
国際著作権機構のサイトには代表者名も所在地も連絡先も書かれていないが、2ちゃんねるなどの掲示板をたどっていくと、やはりこの株式会社ロマンシングに行き当たった。
株式会社ロマンシングは、当初、「P2P POISONING PROJECT」として昨年4月から確認され、その後「株式会社ロマンシング」を名乗って活動するも会社サイトは閉鎖され、鳴りを潜めていた。今回、この国際著作権機構と関係があるのかを確かめるため、サイトを通じて取材申込のメールを送っているが、今のところ返事はない。
しかし、限りなく怪しいことは間違いないのだが、ユーザー自身が違法ダウンロードを行っていることに逆手に取り、著作権使用料相当額の金額を要求することは、架空請求となんら変わりはない。
今回、長崎市の中学校校長所有のパソコンから個人情報が流出したことで、その裏側のことまで分かってきたのだが、ユーザーが被害届を警察に出したくても、ユーザー自身が違法行為を行っていることを証明することにもなり、なかなか表に出てこなかったのだろう。
ファイル共有ネットワークが存在する限り、このような違法ダウンロードは完全にはなくならないだろう。企業活動に影響を与える違法ダウンロードは徹底して取り締まらなければならない。
夕方、国際著作権機構と関連があるとされる株式会社ロマンシングに電話をかけたが、留守番電話になっていた。国際著作権機構と株式会社ロマンシングの関係については、今後も取材を続けていくことにする。【了】
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