PJ: 大谷 憲史
「カルト宗教と戦う街」、神慈秀明会が街にやってきた=宮崎
2010年04月12日 07:09 JST

昨年8月3日に行われた抗議集会の様子(宮崎市新名爪 2008年8月3日 撮影:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年4月12日】宮崎市新名爪(にいなづめ)の住吉(すみよし)地区。国道10号と国道10号宮崎北バイパスの接続点近くの交通の便の良い場所に、宗教法人神慈秀明会の集会所が完成しつつある。近くにはショッピングセンター、ホームセンター、レンタルビデオ店などが立ち並び、住宅地にも近い。また、住吉小学校、住吉中学校、宮崎北高校、宮崎日大高校などの学校があり、登下校時間には多くの学生が行き交う。文教の地区でもある住吉では、神慈秀明会宮崎集会所建設阻止対策委員会を立ち上げ、カルト宗教の進出を阻止しようと活動を続けている。
神慈秀明会は、これまでに「信者にノルマを強いる」「強引な浄霊活動をしている」「多額の借金をしてまで献金させられた」「学生が学校に行かないで宗教に走っている」という問題を起こしてきた。強引な勧誘活動が社会問題になったこともあり、「カルト宗教」という位置付けで神慈秀明会という名前が知られることとなった。
1995(平成7)年の長野県松本市において、最初の神慈秀明会集会所建設反対運動が起こった。地元住民の反対運動が功を奏し、建設阻止にいたった。その状況は、のちに書籍として出版され、様々なカルト宗教の建設反対運動における参考書として活用されている。
05(平成17)年には、大阪市淀川区で住民が反対運動を展開、同じく05年には横浜市青葉区でも住民の反対運動が行われ、どちらも集会所建設の阻止に成功した。しかし、翌年の横浜市戸塚区では、地元住民が反対運動を展開するも、大手建設会社が強行着工し、07(平成19)年に集会所が完成した。現在、住民が集会所の監視を行っている。同じく07年、山口県周南市では、署名4000人以上を集めた住民の反対運動により、秀明会は集会所の建設を断念した。
そして今回、宮崎市でも神慈秀明会の集会所建設が持ち上がり、地元住民が反対運動を展開している。これまでの状況をまとめた。
○2008(平成20)年
・5月11日
宮崎市郡司分(ぐじぶん)での集会所建設が分かり、「神慈秀明会集会所施設建設阻止対策委員会(以降、郡司分対策委)」が結成された。
・6月15日
地元小学校の体育館で、郡司分対策委主催による「宗教法人神慈秀明会集会所建設説明会」が行われた。500人を超える地域住民、神慈秀明会関係者及び建設会社の18名が出席した。神慈秀明会側は建設を着工するとして話し合いは平行線をたどるも、神慈秀明会の一端が垣間見えた説明会となった。
・7月10日
着工予定日(5月10日)から2ヶ月以上経ったが、現場近くにかかる水路を管理している地元の水利組合からの許可が下りないため、工事に着工できないことが判明した。
・8月10日
郡司分対策委は、宮崎市の中心市街地であるデパート前交差点において、神慈秀明会集会所建設反対の街頭署名活動を行った。その後署名活動は、市内全域で定期的に行われている。
郡司分対策委は建設現場近くにテント小屋を設置し、毎日交代で監視を続けたが、この年、神慈秀明会側が着工に踏み切ることはなかった。
○2009(平成21)年
・3月下旬
神慈秀明会は、新たに宮崎市新名爪に土地を購入。宮崎市に建設確認の申請を提出した。宮崎市郡司分の神慈秀明会宮崎集会所建設阻止対策委員会との連携を図り、「住吉地区建設阻止対策委員会(以下、住吉対策委)」を立ち上げて活動を始めた。
・5月19日
地域住民に何の説明もなく、早朝に重機が建設現場に入り、アスファルトを掘り返す作業が始まった。 かなりの騒音と振動を感じた住民が現場に出向き説明を求めると、「これは工事ではなく、建設作業のための準備作業である」との回答であった。すぐさまに作業中止を申し入れ、約3時間後に作業は中止された。
・6月13日
公民館で行われた集会所建設説明会には、約550人の住民が参加した。神慈秀明会側は、「既存の施設が老朽化し手狭になったこと」「地域住民への布教や勧誘活動はしない」などと説明。16日から工事を再開するとした。
・6月16日
集会所建設現場には、朝早くから地域住民が集まった。神慈秀明会側は予定通り工事を再開させるため現場に向かうも、地域住民の抵抗に遭い、現場は一時騒然となった。「これ以上妨害すると威力業務妨害になると警察は言うが、私たちには他に方法はなかった」と住吉対策委の関係者が話した。
・6月19日
住吉対策委と神慈秀明会側との話し合いが行われた。神慈秀明会側は、大規模な説明会では地域住民に理解を求めることは難しいので、今後は小規模な説明会を随時開催していくと同時に、集会所建設工事も進めると話した。
・6月23日
早朝、抗議集会が行われた。神慈秀明会側は、住吉対策委に対して「集会所建設工事妨害禁止に関する仮処分」を宮崎地方裁判所に申し立てた。
・7月7日
宮崎地裁にて、第1回審尋が行われた。
・7月13日
宮崎地裁にて、第2回審尋が行われた。宮崎地裁の決定に関わらず、今後も反対運動を続けることを確認した。
・7月30日
宮崎地裁は、神慈秀明会の申し立てを認めた。
・8月1、3、4日
早朝、抗議集会が行われた。
・8月7日
建設現場の仮囲い工事が終わった。
・8月25日
神慈秀明会宮崎集会所の起工式が行われた。
・9月8日
宮崎市内の県立高校が集会所建設現場で職場体験研修を行うことが分かり、宮崎県教育委員会、高校側に、建設現場での職場体験研修の取りやめを申し入れた。
以上がこれまでの流れである。10月以降、私は諸事情があり現場へ足を運ぶことはなかった。完成予定とされている3月下旬を過ぎても、集会所は完成していない。
最新の情報を得るために、現場に足を運んでみたい。なお、これまでの一部の記事は、下記のリンクから読むことができる。【了】
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