PJ: 大谷 憲史
「カルト宗教と戦う街・宮崎」 霊波之光も集会所建設を計画中
2010年04月13日 07:06 JST
完成に向けた工事が行われていた(宮崎市新名爪 4月12日 撮影:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年4月13日】4月12日、宗教法人神慈秀明会の集会所建設が進む宮崎市新名爪(にいなづめ)の現場に向かった。予定では3月末の完成予定であったが、現場では完成に向けた工事が行われていた。周囲を覆っていた囲いが一部外され、集会所を見ることができた。気になったのは、集会所建設の発端となった宮崎市郡司分(ぐじぶん)である。現地へ向かった。
4月12日、あいにく小雨が降っていた。宮崎市新名爪の神慈秀明会集会所の建設現場では、完成に向けた工事が行われていた。囲いの一部が外され、集会所の建物を見ることができた。内装及び電気関係の工事を行っているのだろうか、小雨の中を作業員が忙しく動いていた。
住吉地区神慈秀明会集会所建設阻止対策委員会(以下、住吉対策委)の登り旗が立っていたが、建設現場近くにあったテント小屋は撤去されていた。近くに移動するとのことである。反対運動は継続中で、第1・3土曜日には早朝抗議集会が行われている。
集会所の完成までには少し時間がかかりそうだが、気になったのが、当初、神慈秀明会が集会所の建設を予定していた宮崎市郡司分である。現場へ向かった。
中心市街地から宮崎県立看護大学へ向かう県道337号線を車で走る。国道220号宮崎南バイパスの高架近くに現場はある。以前は、民家の壁や田んぼのなかに「神慈秀明会集会所建設反対」と書かれた看板を目にすることができたが、看板はすべて撤去されていた。何があったのだろうか。
現場に向かうと、「建設計画の概要」の看板は立っているものの、建設予定地は草が生え放題であった。郡司分対策委のテント小屋も撤去されていた。
取材中、1台の車が通りかかった。郡司分対策委のメンバーの方だった。「この地区にあるアパートなどの入居率が大幅に下がったため、反対運動の看板を撤去した」とのことであった。カルト宗教の集会所ができることを知ったアパートの入居者の転居が増え、逆に入居者が激減したようである。
ただ、「建設計画の概要」の看板がある以上、油断することはできないと、対策委の方が話していた。宮崎市では、この2か所以外にも、別の宗教法人が大掛かりな集会所の建設を計画している。
千葉県野田市に本部がある「宗教法人・霊波之光(れいはのひかり)」である。1957(昭和32)年9月に創立され、波瀬善雄氏を創始者とし、「御守護神様」と称されている。信者数は、約76万人と言われている。
神慈秀明会などの新興宗教の多くは「病気治し」をうたい文句にしている。この霊波之光もそうである。当初、教祖による病気治しは密教的な「九字を切る」というようなものであった。しかし、突如として「霊波(光)が体内に吸い込まれた」などと言い、教祖の霊波によって病気を治すというものに変わっていった。
霊波之光では、病気直しが教団の中心にあったため、特に「教義」と呼べるほどのものはない。教祖の言行録である「御書」が経典となっているが、教祖自身に神や仏に関する概念の混乱があるため、経典と呼べるものなのか、分からない。
霊波之光の信者が家庭に祀る「御神体御札」には、なぜか1年という有効期限がある。毎年御札を買い換えなければ病気は治らないということだろうか。
カネを巡っては、霊波之光は美容器具販売会社を通じて勧誘活動を行い、マルチまがいの商法で収益を上げていたことも明らかになっている。
2006年には、青森市安方地区に霊波之光が集会所を建設することが分かり、地域住民は「安方町霊波之光建設阻止対策委員会」を組織し、反対運動を始めた。住民側は、過去のオウム真理教に絡む事件など新興宗教に対する不安や不信感を背景に「信者が白装束で町を歩くと住民が不安に感じる」「同法人が詐欺事件などに関与しているとの話がある」などを反対理由に挙げた。
霊波之光側は、「将来的に建設したいという段階で、具体的に計画が出てくれば当然住民に説明するが、現時点での対話は余計に誤解を招く恐れもあるのでしばらく静観したい」と話した。
宮崎市でも、霊波之光が集会所を建設することが分かった。宮崎産業経営大学に近い宮崎市古城(ふるじょう)地区に、すでに土地を購入し、「霊波之光 宮崎AYUMI館建設予定地」と書かれた看板が立ってから、数年が経つ。
ここでも地域住民や大学関係者を中心に「霊波之光会館建設阻止委員会」が組織され、4月5日までに5万2833人の署名が集まった。
これまでに建設予定地近くでは、霊波之光の関係者が大学関係者に石を投げつけるなどのトラブルが起きていた。それだけに、「絶対ここでの建設を許してはいけない」と警戒を強めている。
しかし、ここに来て事態が動いた。
青森市安方地区では「しばらく静観したい」と語った霊波之光だが、宮崎では集会所の建設に向けて動いていたのだ。
宮崎市古城の建設予定地以外に、県内に3か所の建設候補地を絞り込み、宿泊可能な集会所施設の図面まで出来上がっているとのことである。【つづく】
■関連情報
【YouTube動画】
○【カルト宗教と戦う街・宮崎】4月12日の様子
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