PJ: 大谷 憲史
【宮崎市議会政務調査費問題】政務調査費を自分の会社に利益誘導!?
2010年04月18日 07:35 JST

田嶋氏が経営している旅行会社のホームページ(キャプチャ画像 作成:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年4月18日】宮崎市議会の政務調査費問題で4月15日、市議会の政務調査費特別委員会が行われた。疑惑はすべて解明されたのだろうか。
宮崎市議会の政務調査費は、市議一人当たり8万円が所属会派に支払われている。その政務調査費の不正支出を巡り、3月12日に市議会に政調費特別委員会が設置された。4月15日には特別委員会が開催され、委員外議員として市議会最大会派「市政政同志会」の現在の会計責任者の大野勤市議が、同会派の元会計責任者の田嶋浩二・元市議(3月8日辞職)、日野輝生・元市議(3月8日辞職)の2人が参考人として招致された。
特別委では、新たに高額なガソリン代の政務調査費での支払いが明らかにされた。
大野市議は、07(平成19)年度に約47万円分のガソリンを給油し、その半分を政務調査費で支払った。
「毎日100Kmぐらい走っていることになるが」という委員の質問に、大野市議は「毎月3000〜5000Kmぐらい走る。市民の声を聞き、現場に足を運ぶのが自分のスタイル。そのように動かないと、選挙で当選ラインに届かない」と説明した。
しかし、宮崎市内に住む私は、一度も大野市議を地元の街で見たことはなく、現場に足を運んでいるということを聞いたことはない。しかも、政務調査費を使って、選挙活動とはあきれたものである。この説明通りに、宮崎市内を毎日100Kmも走り、市民の声をしっかりと聞いているのであれば、今回のような問題は起きなかったはずである。いったい、どこを走り回っていたのだろうか。
さらに、もっと驚いたことが特別委の終了間際になって起きた。田嶋氏が、新たに3件の「疑惑視察」を切り出したのである。
○05(平成17)年11月30日〜12月2日:22万6400円
金丸万寿雄市議、日高義人市議、那覇市などへの視察
○06(平成18)年5月18日〜20日:33万8550円
田嶋元市議、日高市議、金丸市議の栃木県宇都宮市等の視察
○06年12月21日〜23日:62万40円
日野元市議、川口美記夫市議、金丸市議氏の北海道旭川市等の視察
特別委での主なやりとりによると、この3件の視察を同会派の会計に上げ、政務調査費として計118万4990円を受け取ったことになっていた。3件とも田嶋氏が計画を立て、田嶋氏が宮崎市内で経営する旅行会社に代金を支払う形をとっていた。しかし、視察は中止されたため、その後、政務調査費は返還したということである。
また、田嶋氏は、視察の実績報告書について、「(視察に)行くと決めた時点で事前に事業計画として作っていた。報告内容はイメージして書き、実際と違ったら後で書き直していた」と、驚きの証言をしている。さらに、行ってもいない視察の実績報告書が提出されたことについては、「処分するのを忘れていたため。処分しなくても議会事務局で訂正を求めてくると思った。私の確認ミス」とも語った。
特別委では、田嶋氏への質問が集中したようだが、これまでに「07年6月に一人で行ったとされる那覇市視察」「同年7月に日野氏と行ったとされる北海道視察」「同年11月に一人で行ったとされる北海道視察」の3件(計66万2230円)にも、田嶋氏が関わっている。
4月7日付け記事「【宮崎市議会政務調査費問題】今度は政務調査費の二重受け取り疑惑が発覚」で、今回の問題の中心人物は、田嶋氏ではないだろうかというようなことを書いたが、図星だった。
特別委終了後、田嶋氏は読売新聞の取材に対して、自身が経営する旅行会社が会派の視察の多くを手がけ、利益を得ていたことを認めた。さらに、「税金の還流ではないか」との指摘に対し、「ボランティアみたいなものですから」と答えている。
市議の視察のための旅行の手配などの業務はボランティアのようなもので、会社にはそれほど収益は上がらなかったということを言いたかったのだろうが、それでも田嶋氏は利益を得ていたのである。政務調査費である税金を、自分の懐に入れたことには変わりはない。こういう重要なことをなぜ特別委ではなく、終了後の取材で答えたのだろうか。
特別委で田嶋氏は「不慣れな会計処理で迷惑をかけて申し訳ありません」と謝罪しつつも、「事務的にミスはあったが、不正とは今でも思っていない」とも話している。
利益誘導をしていながら、よくそのようなことが言えるものである。宮崎市民をばかにした発言である。
しかし、参考人を招致した特別委にも問題はある。田嶋氏が旅行会社を経営していたことはすべての委員は知っていたはずで、特別委でそのことを追及することはなく、終了後のマスコミの取材で発覚したことは、情けないことである。前回の記事でも書いたが、やはり市議だけで構成された特別委員会には、実態解明の限界があったのである。
市議の中には、来年行われる市議選のことを取り上げ、「早く解決しないと、議会全体のイメージも悪くなる」と心配しているようだが、ばかな話である。すでに議会のイメージは、地に落ちているも同然である。
イメージを回復したいのであれば、市議だけではなく市民を交えた拡大特別委員会で徹底して膿みを出すしかない。それもできないのなら、今すぐにでも市議会を解散し、市民に真を問うべきである。【了】
■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。
PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。

