PJ: 大谷 憲史
「口蹄疫」の被害現場に修学旅行に行こう? 毎日新聞宮崎支局長への手紙=宮崎
2010年05月08日 06:16 JST

口蹄疫が発生している宮崎の支局長が市民感情を逆なでするようなことを書いてどうするの?(キャプチャ画像 作成:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年5月8日】宮崎県川南町で16-17例目の口蹄疫が確認された5月3日、毎日新聞のWeb版「毎日JP」の宮崎版に、「支局長からの手紙:牛肉を食す/宮崎」が掲載された。その内容を読むや、目を疑ってしまった。口蹄疫に関する内容で、冒頭では「こんな時こそ牛肉を食べよう」と思い立ち、宮崎市内の焼き肉店へ行ったときのことが書かれている。が、記事の後半、支局長とは思えないような記述が。いったい何を書いたのか。
5月3日付け記事「朝日新聞社さん、取材マナーを守りましょう」では、朝日新聞の取材のマナーの悪さについて取り上げメディアスクラムの現状を知らせようとしたが、私が朝日の記者を注意しなかったことでコメント欄を炎上させてしまった。現場で注意しなかったことについては、大いに反省している。多くのコメントをいただき、感謝している。
さて、今回は、毎日新聞宮崎支局である。ジャーナリストとして、口蹄疫の風評被害を出さないようにと、「支局長からの手紙:牛肉を食す/宮崎」を書いたのだろう。前半は、「こんな時こそ牛肉を食べよう」と思い立ち、宮崎市内の焼き肉店へ行ったことが書かれている。
しかし、問題は、後半である。その文章を紹介する。
「しかし、残念な反応もある。鹿児島県の小学校2校が、5月に予定していた宮崎市への修学旅行の行く先を変更したという。私たちも繰り返し報道しているように、口蹄疫は人に感染しない。感染した肉は市場に出回らないし、仮に食べても人体に影響はない。専門家の一致した見解だ。むしろ、児童の「修学」のいい機会にできたのでは、と思えてならない。」
何気ない文章のようだが、「児童の『修学』のいい機会にできたのでは、と思えてならない」とは、どういうことだろうか。
この支局長は、口蹄疫のことを理解しているのだろうか。いや、一人のジャーナリストとして、どのくらい取材を行っているのだろうか。
口蹄疫のウイルスの拡散を防ぐために消毒ポイントを設置し、畜産関係車両の消毒を行っている。本来であれば、すべての通行車両を消毒しなければならないのだがとの声もあったが、大型連休と重なり、一般車両の消毒まではできなかった。
6日に行われた第12回牛豚等疾病小委員会(委員長:田原健 鹿児島県家畜畜産物衛生指導協会専務理事)では、風によるウイルスの拡散は考えにくく、人、車両によってウイルスが広がったこと否定できないとの認識を示した。
鹿児島県の小学校が修学旅行の行き先を変更したのは苦渋の判断であっただろうが、賢明な判断であったと考える。それを支局長は、「児童の修学の機会を逃した」と嘆いている。
このような状況の中で、子どもたちに何を学ばせようというのか。焼肉食い放題ツアーか、感染農家の見学か、具体的な「修学」内容をぜひともお聞きしたいところである。
ジャーナリストとしてではなく、人間として非常識も甚だしい。
在京の新聞社の支局長は、数年で交代する。記者も県外出身が多く、数年で異動となる。このような中で、支局長や記者たちがどのくらい宮崎のことを知っているというのだ。焼肉屋に行って店員に取材、いや、話を聞くことぐらいは誰でもできる。支局長ならではの視点からの記事を期待したいところなのだが。
ここでは紹介はしないが、当然のごとく、2ちゃんねるなどの掲示板をはじめ、ブログでもこのことが取り上げられている。当分、この件は取り上げられるだろう。
さて、支局長からの手紙は、以下の文で締めくくられている。
「やらなければならないことはあまりに多いが、関係者の一層の奮闘を願いたい。」
それは、あなたのことである。支局長として、一層の奮起を願いたい。【了】
■関連情報
【関連サイト】
○農林水産省「口蹄疫に関する情報」
○宮崎県「口蹄疫に関する情報提供」
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