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PJ: 林田 力

ネット右翼は東京都青少年健全育成条例で目を覚ませ
2010年12月20日 07:35 JST

東京都議会の本会議で2010年12月15日に青少年健全育成条例改正案(東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例)が可決された。これはネット右翼など右傾化した若年層に保守の正体を気付かせる機会になる。

改正条例は性犯罪や近親者間の性行為を不当に賛美・誇張するマンガやアニメを規制する。何が不当に賛美・誇張するものか不明確で、行政の恣意的な解釈を招き、表現の自由を萎縮させると批判されている。そのため、出版業界や日本弁護士連合会など各方面から反対表明が相次いだものの、「使命感を持ってやる」という石原慎太郎都知事のゴリ押しが通ってしまった。

石原氏は典型的な保守タカ派の政治家である。一方、ネット右翼の多くはマンガやアニメの愛好家である。これまでネット右翼は石原氏の三国人発言などを「タブー破りの発言」と持ち上げてきたが、しっぺ返しを食らうことになった。これは日本の愚民と保守権力の縮図である。

政治意識の低い日本の民衆は、おこぼれにあずかろうとして、権力者にすり寄る。しかし、権力者にとって民衆は利用するだけの存在である。散々利用された挙句、裏切られる。裏切られたことさえ気付かない愚かな民衆も少なくない。彼らは権力者にすり寄り続ける。これが誰もが問題を認識しつつも、日本で保守政治が永続した一因である。

ネット右翼も同じである。ワーキングプアやネットカフェ難民など若年層を取り巻く現実は厳しい。若年層が社会に不満を抱き、政治意識を高めることは当然である。しかし、右傾化して日本の過去の戦争犯罪を美化し、中国や韓国を貶めることは当然ではない。

そこには日本社会に不満を抱きつつも、「偉大な日本」のおこぼれにあずかりたいという甘えと煮え切らなさが透けて見える。しかし、右傾化しても救われることは絶対にない。どれほどすり寄っても、最後は自己責任などの論理で切り捨てられるだけである。せいぜい焼け野原から経済大国にするような前に進むことしかできない先人を見習って、前向きに頑張れと激励されるだけである。

私は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされた経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。この問題について私は様々な団体に相談したが、保守系の団体はソフトな対応であっても、結局は泣き寝入りを求めるものに過ぎなかった。そこで保守の論理の本質を認識した。

私は左派が全面的に正しいと主張するつもりはない。むしろ全共闘世代が牛耳る既成の左派に若年層が幻滅することは当然であるとさえ考えている。それでも日本では実際に苦しむ人々の受け皿になりうるものは左派しかないという現実がある(林田力「主権回復を目指す会が在特会を批判」PJニュース2010年8月21日)。
http://news.livedoor.com/article/detail/4958954/

マックス・ウェーバーは『職業としての政治』の末尾で以下のように述べた。
「どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」をもつ。」

古い発想が支配し、若年層の思いを受け止められない既成の左派にはウンザリさせられることも多い。それにもかかわらず、苦しむ人々の立場に立つならば敵と味方を取り違えてはならない。ネット右翼も日本の保守の本性を直視し、目を覚ます必要がある。【了】

■個人ウェブサイト
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』

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