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PJ: 田中 大也

性犯罪の「創作」によって、「強制わいせつ」の範囲が著しく広がる!?
2011年02月15日 07:21 JST

【PJニュース 2011年2月15日】前回は、持ち上がりつつある「性犯罪」の「政治的創作」について書いたが、仮に、性的行為の決定権が現在の年齢よりも引き上げられたり、非親告化がなされたとなれば、強姦罪ではなく、強制わいせつ罪も、「同じ」前提上で法的に組み立てられているだけに、現状とは全く違う形になってしまうだろう。すなわち、直接的な性交渉だけではない、極めて広範囲の行為に対してまで、「性犯罪」の「創作」が行われてしまう危険性が高い。

■同意年齢の引き上げによって、恋人や家族へのコミュニケーションも「性犯罪」に!?
同意年齢に達しない「児童」との性交は、たとえ互いの同意があろうと強姦罪に、つまり、恋人同士の行為が、性的暴行者によってなされたものと「同じ」と法的に見なされてしまうわけだが、その点は「強制わいせつ」の枠内でも変わらない。つまり、相手方が同意年齢未満だとしたら、あらゆる接触が、電車内や街頭で痴漢が行った犯罪行為と「同じ」ということにもなってしまうのだ。と、なれば、キスや抱擁、ボディタッチや、果ては手をつなぐ行為に至るまで、「性的」と見なされれば、法的には「性犯罪」となってしまうかも知れない。

これでは、恋人同士の接触はもちろんのこと、友人間や親子間でのコミュニケーションもままならないといった事態にもなり得る。性犯罪関係法の動向次第では、実態とは何も関係のないところで、「性犯罪」が爆発的に増大するというリスクを背負わなければならなくなる危険性も皆無ではないのだ。

■非親告罪化で、さらなる脅威と「痴漢冤罪」のリスクが高まる
ただ、現行の「強制わいせつ」の規定でも、十三歳未満の児童については、決定権はないものとされている。つまり、現在でも、十三歳未満の子供に対してキスや抱擁をしたりするのは「危険」であるとも言えるのだが、そうした行為をした子供の親たちが捕まったりというような話はほとんどない。

それは「強制わいせつ」罪が親告罪であり、当事者などの告訴がなければ警察力が介入できない決まりがあるという部分が大きい。もし仮に親告規定が撤廃されたら、現在の淫行条例や児童買春事案などと同じように、明らかに「被害」とは言えないようなケースに対しても、当局は独断で介入してくることになるだろう。性交とは違い、極めて広い行為をカバーしている法律だけに、現行の十三歳未満の基準でも十分過ぎるほどの脅威にもなるだろうし、同意年齢の引き上げとセットで行われたとすれば、それこそ、友達や恋人にさえ、何もできなくなるという事態すら生まれてくる。

海外では、親子で一緒に風呂に入っただけでも虐待になる、などと、厳し過ぎる諸外国の「虐待」基準が、驚きをもって伝えられることも少なくないが、日本においても、強制わいせつ罪の非親告化がなされただけで、子供と一緒に風呂に入り、体を洗ってあげたというケースが「虐待」に問われかねないような現実もあるのだ。そして、こうした無茶な基準の拡大が行われるのならば、「性犯罪」が実情とは関係なく、数十倍に膨れ上がってしまうのも、ごく必然的な結果だと言わなければならないだろう。

性犯罪は確かに深刻で重大な犯罪だが、他の法律とは違って、政治的に「創作」できる側面を有している。

厳罰化せよという風潮の中で、同意年齢の引き上げや親告規定の撤廃など、「性犯罪」そのものの枠組みを広げていこうとする提言がなされている現状もあるが、そうした施策は、青少年の決定権を制限し、実態とは別に政治が犯罪を創作するという、「性犯罪案件」独自の負の要素を拡大し、性犯罪そのものを事実とは異なる「性犯罪者」を政治的に処罰するための法律へと変質させてしまう危険性を有している。性犯罪は重大な罪であるからこそ、対象を絞り込み、慎重に運用させなければ、「暴走」の危険を防ぐことは難しくなっていくだろう。【了】

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