PJ: 高橋 清隆
問題をでっち上げ安全網を葬る年金改革(下)
2008年07月03日 13:22 JST

社会保険庁のホームページより引用 
「自・民対立」のお芝居で進む民間譲渡と国民監視
(中)からのつづき。マスコミは2007年7月の参議院選挙の際、年金の記録漏れ問題を大々的に報じ、民主党を勝たせた。民主党は記録漏れを大々的に批判しながら社保存続の立場を採り、自民党は同庁の解体を主張しながら記録漏れを謝罪し続けた。「駄目だから壊す」「悪くないから残す」というのが普通の考え方ではあるまいか。この倒錯した関係に、両者が背後にいる者の意向でお芝居を演じたことをうかがわせる。
このときすでに同庁の解体は決まっていたが、マスコミはこのことに触れず、個人データの整理を徹底させて民間組織に引き渡す態勢づくりが促進された。報道にたきつけられた国民の中には、社保職員を殴る者まで現れた。全国の社会保険事務所では激務と罵声(ばせい)に耐えきれない職員が相次ぎ、改革者の望み通りに減っている。
年金改革が国民のためでないことは、米国の文書に記述があることが告白している。改革は共済年金の廃止による年金一元化の方向へ動いているが、2007年10月に出された『年次改革要望書』には「公的部門の職員に確定拠出年金制度を導入する」との文言がある。記入漏れ騒ぎの末、ICチップ入りの「年金カード」の導入が検討され始めたが、米国製ICチップ導入は『年次改革要望書』に明記されてきた。住民基本台帳ネットワークの整備完了と合わせ、国民総背番号制に向けた国民監視への準備が進む。出入国管理や日本郵政の顧客情報管理同様に米企業が受託管理すれば、そのデータは米国が握ることになる。
ところがマスコミはこれらの背景には一切触れず、「自分の金はどうなる」「世代間不公平だ」「年金は信用できない」「種類が多様で分かりにくい」などと要らぬ問題を騒ぎ立てる。これでは年金制度の解体と外資による年金資金略奪を手引きしているようなものである。ただでさえ、自滅的な経済政策によって生活水準は低下する一方だ。不要な改革の先には、国民を暴風雨の中で野ざらしにするような現実が待つ。【了】
■関連情報
高橋清隆の文書館
PJニュース.net

